| お知らせ |
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第42回 千葉視覚研究会は、5月23日(水)に開催予定です。和田有史先生に研究紹介をしていただきます。
| 開催予定 |
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第42回 : 5月23日(水):和田有史先生(独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構)
第43回 : 日にち未定(6月25または27日):桂重仁さん(千葉大学 大学院 融合科学研究科・博士後期課程)
第44回 : 7月26日(木):堀内隆彦先生(千葉大学 大学院 融合科学研究科)
場所 : 自然科学系総合研究棟2, 3階共用ゼミ室
時間 : 18:00-19:30
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<会場案内>
場所: 自然科学系総合研究棟2, 3階共用ゼミ室 (千葉大学 西千葉キャンパス)
千葉大学西千葉キャンパス 自然科学系総合研究棟2号館
(〒263-8522 千葉市稲毛区弥生町1-33)
交通: JR総武線西千葉駅下車 徒歩約10〜15分
京成千葉線みどり台駅下車 徒歩約15〜20分
千葉大学 西千葉キャンパス 工学部案内図
(自然科学系総合研究棟2は、青字で“自然科学系総合研究棟”と書かれた建物です。)
http://www.eng.chiba-u.ac.jp/access.html
大学へのアクセス
http://www.chiba-u.ac.jp/access/nishichiba/

※ ロゴは後藤雅宣先生作
| 活動内容 |
ほぼ月1回のペースでメンバーの研究紹介を行い、意見交換をしています。
| 開催記録 |
<2012年度>
第41回 :2012年 4月26日(木):戸部和希,白色LED光源の演色性と照明空間の印象の評価
<2011年度>
第40回 :2012年 3月28日(木) 後藤雅宣,構成学に関する研究紹介
第39回 :2012年 2月 9日(木) 大北碧,ハトにおけるカテゴリ探索の検討 -顔合成画像を用いて-
第38回 :2011年12月22日(木) 岩坂正和,生物磁気の最近の話題
第37回 :2011年11月24日(木) 木村敦,ブランドロゴの記憶色
第36回 :2011年10月13日(木) 兼松えりか,色になじみのある物体による色の見えへの影響
第35回 :2011年 9月26日(月) 今泉祥子,ハッシュ関数に基づくコンテンツ保護技術
第34回 :2011年 7月28日(木) 澤山正貴,輝度エッジの解釈過程における肌理とエッジの処理の相互作用 ―肌理上の水染み現象を用いた検討
第33回 :2011年 6月23日(木) 矢田紀子,色覚特性のニューラルネットワークモデル
第32回 :2011年 6月 2日(木) 高橋良香,視物質メラノプシンを含む網膜神経節細胞が関与する非視覚的作用メカニズムの推定
第31回 :2011年 4月 7日(木) 眞鍋佳嗣,Virtual or Real ? 複合現実感技術
<2010年度>
第30回 :2011年 3月 3日(木) 相田紗織,両眼視差に基づく見かけの奥行き:逆二乗法則からの逸脱
第29回 :2011年 2月10日(木) 喜多靖,HIDと白色LEDにおける光源色の見えと測色値の不一致
第28回 :2010年12月 9日(木) 谷口昌志,記憶質感と好ましい粒状性について −ノイズのタイプを考慮して−
第27回 :2010年11月 4日(木) 川本一彦,粒子フィルタに基づく動画像解析
第26回 :2010年10月14日(木) 吉澤陽介,色空間における慣用色名認識の定量化の試み 〜JIS Z 8102「物体色の色名」における慣用色名について〜
第25回 :2010年 9月 9日(木) 一川誠,両眼視差量が画像の印象におよぼす効果
第24回 :2010年 8月 5日(木) 小山慎一,視覚の臨床神経心理学:患者から学ぶ視覚の仕組み
第23回 :2010年 7月 1日(木) 平井経太,空間速度コントラスト感度関数の測定・モデル化と動画像評価への応用
第22回 :2010年 5月19日(水) 池田光男,空間認識、そして色の見え
第20回 :2010年 3月17日(水) Janprapa Poungsuwan,写真の中にも色の恒常性 (Color constancy demonstrated in a photograph)
第21回 :2010年 4月22日(木) 中村哲之,錯視に関する比較認知研究
<2009年度>
第20回 :2010年 3月17日(水) 大塚一路,人の集団に関する新たな評価方法の考察 〜 ファイナンス理論を用いたサービスレベルの評価方法 〜
第20回 :2010年 3月17日(水) 下村義弘,『カラダの百科事典』に見るヒトの科学的考察
第19回 :2010年 2月10日(水) 平山順,概日リズムの光入力シグナルとDNA損傷応答の類似性
第18回 :2009年12月 9日(水) 阿部悟,視野闘争の検討を通じた異眼間情報統合処理の解明
第17回 :2009年11月18日(水) 富永昌治,絵画の質感を追求するディジタルアーカイビングについて
第16回 :2009年10月28日(水) 櫻井建成,非線形振動子とそれを用いた画像処理
第15回 :2009年 9月 4日(金) 桐谷佳惠,電子辞書画面デザインと語の関連性の可視化
第14回 :2009年 7月16日(木) 勝浦哲夫,光環境とヒト ー味覚,時間感覚,生理機能に及ぼす光の影響
第13回 :2009年 6月18日(木) 吉岡陽介,歩行時の空間把握と中心視および周辺視
第12回 :2009年 5月21日(木) 吉川拓伸,肌色の白さ知覚について―色相および彩度が肌色の白さ知覚に与える影響―
第11回 :2009年 4月16日(木) 三分一史和,脳信号データの時空間解析
<2008年度>
第10回 :2009年 3月 5日(木) 青木直和,ノイズ付加による画質向上効果
第 9回 :2009年 2月12日(木) 溝上陽子,環境の色分布に影響される色知覚
第 8回 :2009年12月11日(木) 木村英司,瞳孔反応を用いた視覚研究
第 7回 :2008年11月 6日(木) 大沼一彦,眼内レンズと色収差、球面収差
第 6回 :2008年10月 9日(木) 小山慎一,幻肢とラバーハンドイリュージョンを通じて触知覚メカニズムを考える
第 5回 :2008年 9月 3日(水) 高橋良香,生体リズムとその光受容システム
第 4回 :2008年 7月30日(水) 牛谷智一,視覚的体制化の比較認知科学
第 3回 :2008年 6月18日(水) 外池光雄,視覚の脳内情報処理に関する非侵襲的計測
第 2回 :2008年 5月21日(水) 宗方淳,建築空間の見せ方、見方
第 1回 :2008年 4月23日(水) 一川誠,能動的観察によるフラッシュラグ効果の低減
<関連講演会>
2011年 3月 3日(木) Brian Rogers (University of Oxford), Perception, art and
illusion: Where have all the illusions gone?
2010年 4月16日(金) M. Ronnier Luo (University of Leeds), Holy Grail of Colour Appearance Research
2009年 7月29日(水) James A. Ferwerda (Rochester Institute of Technology), Envisioning the
material world
| 開催日 | 概要 | |
|---|---|---|
| 第41回 | 2012/4/26 (木) |
戸部 和希 (千葉大学 大学院 融合科学研究科・博士前期課程修了) |
| 白色LED光源の演色性と照明空間の印象の評価 | ||
| LED光源は従来の光源(蛍光ランプ等)と発光原理が異なるため,分光エネルギー分布も今までにはない形をしている.このため,LED光源の演色性も従来のものとは異なり,照明空間の視覚的印象にも異なった影響を及ぼすことが分かっている. LED光源の演色性を評価する際,従来の演色性評価方法がそのまま適用できるかどうかが問題になっており,CIE TC1-69において新たな演色性評価方法が検討されている.これらの演色性評価方法においては,適用する色順応モデルと色差を求める際の色空間の選択が重要である.本研究では被験者実験により,LED光源下の実験刺激の対応色を参照光源下において求める.それら対応色に関してCIELAB,CAM02-UCSの各色空間で評価を行い,LED光源による色の見えの特徴を明らかにする. またLED光源を用いた照明空間の印象に関して,本研究では室内を模したミニチュアを用いた照明空間の評価実験を行う.評価にはSD法を用い,因子分析により照明空間の評価に影響する要素を抽出し,各LED光源が照明空間の印象に及ぼす影響の特徴を明らかにする.実験結果より,LED光源は参照光源とは異なる色の見えと照明空間の印象を与えた.これにより,照明による色の見えの変化は,照明空間の印象にも関係していることが示唆された. |
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| 第40回 | 2012/3/28 (水) |
後藤 雅宣 (千葉大学 教育学部造形教育講座) |
| 構成学に関する研究紹介 | ||
| 教育学部には、幼稚園・小学校・中学校・高等学校・特別支援学校に展開されるすべての教科領域に関わる研究分野が存在する。その中で図画工作・美術・芸術美術を担当するのが造形教育講座である。 音楽とともに表現教科と呼ばれ、そのための理論と実技の両輪を担う。視覚芸術を扱う領域であることから、視覚・視知覚の原理や特性の活用に関して、表現そのものをもって実証するといった研究スタイルも同時に求められている。実技表現の成果をも評価対象とされるきわめて特異な世界である。 また、それらをどのように教育活動に生かしうるかというテーマが、いま一つの柱となる。造形教育講座の中では、いわゆる絵画や彫刻、工芸、といった分野の他に、「構成」という分野が存在する。Gestaltという言葉に由来し、絵画や彫刻、デザインや工芸といった歴史の中で確立されてきた表現世界に通底する、美術の基礎を研究・教育する世界である。今回は、個別的な研究ではなく、その状況や背景を紹介しながら、教育制度の中での色や形の問題の取り扱いや、美術界と造形教育との関係などについて、ともに考えたい。 当日は作品現物も見ていただく予定であり、美術館での作品鑑賞のようなお気軽な気分でご参加いただければ幸いである。 |
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| 第39回 | 2012/2/9 (木) |
大北 碧 (千葉大学 大学院 融合科学研究科・博士後期課程) |
| ハトにおけるカテゴリ探索の検討 -顔合成画像を用いて- | ||
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複雑な背景の中から, 様々な餌や様々な天敵などのカテゴリを効率よく探索することは, ヒトを含めた動物が環境に適応するために必須な注意機能だと考えられる。本研究では妨害刺激である非カテゴリ事例の中から標的刺激であるカテゴリ事例を探索するカテゴリ探索課題を,
多くのカテゴリ化研究や視覚探索研究で被験体として用いられてきたハトに行った。標的刺激であるカテゴリ事例は, 日本人男子学生顔画像の合成画を用いて作成した。自然カテゴリの事例を模しており,カテゴリの事例が共通して持つ要素と事例に特異的な要素をもつ。妨害刺激にはカテゴリ作成に用いなかった顔画像を用いた。 |
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| 第38回 | 2011/12/22 (木) |
岩坂 正和 (千葉大学 大学院 工学研究科) |
| 生物磁気の最近の話題 | ||
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電磁場の生体作用,あるいは生物が電磁場をどのように感じるかについて,物質レベルから生物個体レベルまでのスケールにおける研究を紹介します.ここでは主に直流磁場の生体物質レベルでの効果の例を取り上げ,そのメカニズムの考え方を述べたいと思います.光や視覚に関する話題として,魚のうろこに存在する高屈折率のフォトニック結晶の光散乱や構造色における磁場効果を紹介致します.また,近年話題となっている鳥の視覚系における光感覚機構に重畳した磁気知覚の存在(他の研究者の情報)も解説し,磁気の生物効果の現状を議論致します. |
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| 第37回 | 2011/11/24 (木) |
木村 敦 (東京電機大学 情報環境学部),増田知尋,和田有史 ((独)農研機構・食品総合研究所) |
| ブランドロゴの記憶色 | ||
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熟知物の色のみえには記憶色が影響を及ぼすことが知られている. たとえば, Hansen et al. (2006) は, 見慣れた野菜の画像の色度を灰色に見えるまで調整させる課題を行い,
その主観的灰色点が灰色よりも典型色の反対色側にずれること (記憶色効果) を示した. 記憶色効果は対象を熟知していることによって生じる可能性が高いが,
Hansen et al. では熟知物のみを用いていたため, 記憶色効果の強さが熟知度の関数として記述されるかどうかは未検討である. そこで本研究では,
熟知度 (主観的な接触頻度: 高, 中, 低) の異なる食品関連企業のロゴマークをターゲットとし, 対象の熟知度と記憶色効果の関係を検討した.
本講演では, 筆者らが行った上記の実験研究について紹介する. |
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| 第36回 | 2011/10/13 (木) |
兼松 えりか (株式会社ニコン) |
| 色になじみのある物体による色の見えへの影響 | ||
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色が特徴的な物体そのものの色の見えについては幾つか研究報告があり、特徴的な色の方向へシフトする(例えばバナナであれば、無彩色が黄色にシフトして見える)という報告がある。しかし色が特徴的な物体による色の見えへの間接的な影響は研究報告が余りない。一方、画像処理技術の分野では、特定の被写体の色をWBのゲイン算出に利用する手法も提案 |
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| 第35回 | 2011/9/26 (月) |
今泉 祥子 (千葉大学 大学院 融合科学研究科) |
| ハッシュ関数に基づくコンテンツ保護技術 | ||
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コンピュータの性能向上,ネットワークの広帯域化により,ディジタルコンテンツの扱いが容易となってきた.これに伴い,商品としてのディジタルコンテンツの流通が増加しており,その著作権保護が問題となっている.これらコンテツ保護に対する代表的な対策技術の一つに,電子透かしがある.電子透かしは,コンテンツに著作権情報を埋めることにより,不正利用を抑止する方式である. |
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| 第34回 | 2011/7/28 (木) |
澤山 正貴 (千葉大学 大学院 融合科学研究科・博士後期課程) |
| 輝度エッジの解釈過程における肌理とエッジの処理の相互作用 ―肌理上の水染み現象を用いた検討 | ||
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ある面で反射された光が眼に届く時の強度(輝度)は、その面に当たる照明の強度によっても、面の反射率によっても変化する。そのため、同一の輝度を生み出す照明強度と反射率の組み合わせは無限にあり、単一の輝度から照明強度と反射率を一義的に決めることはできない。この多義性を解くために、視覚システムは輝度の変化する領域(エッジ)を解析し、輝度エッジが照明の変化によるものか反射率の変化によるものかを解釈しなければならない。一般に、輝度エッジのぼけや、エッジ間の肌理の連続性は、そのエッジを照明エッジと解釈する手がかりとなることが知られている。しかし、肌理上にぼけた輝度エッジをもつ領域を配置すると、単独であれば照明エッジの解釈を促進する手がかりを組み合わせているにもかかわらず、水が染みたような反射率の異なるものとして知覚されることをわれわれは発見した (肌理上の水染み現象, 澤山・木村2011)。本発表では、この現象生起の基礎となるメカニズムについて検討した研究を紹介する。 |
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| 第33回 | 2011/6/23 (木) |
矢田 紀子 (千葉大学 大学院 融合科学研究科) |
| 色覚特性のニューラルネットワークモデル | ||
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さまざまな照明条件で撮影された画像中の色認識はコンピュータビジョンやマシンビジョンに有効であり非常に重要であるが,色恒常性を解決する手法は未だに確立されておらず,特に,人間の色覚特性を調べた心理物理実験の結果を利用した有効な色認識手法は提案されていない. |
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| 第32回 | 2011/6/2 (木) |
高橋 良香 (千葉大学 大学院 工学研究科) |
| 視物質メラノプシンを含む網膜神経節細胞が関与する非視覚的作用メカニズムの推定 | ||
| 鳥類や爬虫類、両生類、魚類では、生体リズムへの光入力となる専用の光感受性細胞が脳の基底部や松果体にあることが知られており、哺乳類においても同様の光受容物質があることが近年(2002年)、発見された。哺乳類では、この視物質が網膜の神経節細胞にあり、生体リズムへの光入力や瞳孔反射に寄与することが報告されている。そこで、本報告では、この視物質が作用する反応に着目し、その作用を明らかにすることを研究目的とした。 1つ目の研究では、光が生体リズムに与える影響の程度を表すと考えられている「メラトニン(夜間に分泌されるホルモンの一種)の光による分泌抑制作用」を定量化することで、そのメカニズムを推定した。光曝露によるメラトニン分泌抑制作用に関する実験では、散瞳薬が使われることが多く、瞳孔対光反射(PLR)が起きない状態で実験が行われている。そのため、ここでは、PLR による網膜への到達光量変化の効果を考慮した。PLR を考慮したモデルと実際の実験結果を比較したところ、光曝露によるメラトニン分泌抑制作用を十分に推定することができなかった。十分な推定ができなかった理由として、光源の分光分布特性によって、メカニズムが変化することが予想された。 2つ目の研究では、ノックアウトマウスを使った既往研究から、高放射量曝露時のPLR にこの視物質が寄与するという仮説を立て、その仮説を確かめる実験を行った。実験では、2つの単色光を使い、プルキンエ現象の知見を応用して、杆体からこの視物質への分光感度変化が起こるかを確かめた。2つの単色光の感度差から分光感度を推定したところ、仮説通りの結果が得られた。 |
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| 第31回 | 2011/4/7 (木) |
眞鍋 佳嗣 (千葉大学 大学院 融合科学研究科) |
| Virtual or Real ? 複合現実感技術 | ||
| 複合現実感(Mixed Reality)とは、現実世界にコンピュータで生成された情報を重ね合わせて提示するものである。関連する分野として、Virtual
Reality、Augmented Reality、Augmented Virtualityがあるが、Mixed Realityはこれらを包含する概念となっている。 視覚(映像)における複合現実感においては、現実環境と仮想環境(物体)を違和感なく重ね合わせるために、時間的整合性、幾何学的整合性、および光学的整合性が必要となる。これら3つの整合性を保つために、鏡面球と二次元マーカを組み合わせた3Dマーカを用いた手法をこれまでに提案してきた。本発表では、複合現実感技術についての解説ならびに3Dマーカを用いた現実環境と仮想物体の違和感のない重ね合わせ手法について紹介する。 |
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| 第30回 | 2011/3/3 (木) |
相田 紗織 (東京海洋大学 大学院) |
| 両眼視差に基づく見かけの奥行き:逆二乗法則からの逸脱 | ||
| 両眼立体視において、観察距離、両眼視差が同じで視差勾配が類似していれば、見かけの奥行き量が同じであることは自明の理として受け入れられている。しかしながらわれわれは、2面または3面の重なり合った面を作り出す立体透明視刺激において、被験者に最も近い面と最も遠い面の間の両眼視差が同じでも3面刺激の見えの奥行き量は、2面刺激のそれよりも小さいという現象を見出した。立体透明視刺激はRDSで作成した。本研究では2つの面をシミュレートした立体透明視刺激を2面刺激、3つの面をシミュレートした立体視透明刺激を3面刺激と呼んだ。 われわれはこの現象を確認するために4つの実験を行った。実験1では、重なり合った面(2面と3面)の間の奥行き量を再生法で測定した。実験2では、3面刺激の両眼視差と同じ奥行き量を生む2面刺激の両眼視差を求めた。これらの実験の結果、2面刺激と3面刺激の両眼視差が同じでも、3面刺激の外側の2つの面間の知覚された奥行き量より2面刺激の知覚された奥行き量が大きくなる場合があることがわかった。さらに、実験3と4ではそれぞれドット密度、刺激の大きさ(視野の大きさ)を操作し、見かけの奥行き量を測定した。その結果、実験3ではドット密度に関係なく現象が観察された。実験4では刺激が比較的大きく両眼視差が比較的大きい場合に現象が観察された。また、大きい刺激の知覚される奥行き量が小さい刺激の知覚される奥行き量よりも大きく知覚された。われわれはこれらの結果を大域的立体視という枠組みで説明したい。 |
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| 第29回 | 2011/2/10 (木) |
喜多 靖 (千葉大学 大学院 融合科学研究科・博士後期課程/スタンレー電気 研究開発センター) |
| HIDと白色LEDにおける光源色の見えと測色値の不一致 | ||
| 一般的に測色学の分野では,等色関数を用いて色度値を算出し,色を定量化することが行われている.当然のことであるが,分光分布が異なっていても,三刺激値が同じであれば等色する.これを条件等色と言い,条件等色対を観察すれば,同じ色として知覚される. しかしながら,HID(放電灯)と白色LEDからなる条件等色対を観察すると,異なる色として知覚された.色の見えと測色値の不一致は,照明灯具の品質や商品性に影響を及ぼすことが考えられ,光色の決定に関しては重要な項目である. そこで我々は,光源の色の見えを調査するために,HIDと白色LEDをそれぞれ参照光源とし,R,G,BLEDをマッチング刺激として等色実験を行った.結果,参照光源が白色LEDの場合,等色点は,参照光源の色度値近傍に分布した.一方,参照光源がHIDの場合,等色点は,参照光源の色度値よりも約700K高色温度側に分布した. 更に,この光源色の見えと測色値の不一致の原因を探るため,導出方法が異なる等色関数を用いて色シフトの計算を行ったので,その結果について報告する. |
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| 第28回 | 2010/12/9 (木) |
谷口 昌志 (千葉大学 大学院 融合科学研究科・博士前期課程) |
| 記憶質感と好ましい粒状性について −ノイズのタイプを考慮して− | ||
| デジタル画像にノイズを付加すると,その画像に対する好ましさが向上する絵柄があることが知られている.本研究では,ノイズ付加による好ましさの向上の理由として「記憶質感」を提唱し,記憶質感の持つ性質を探ることを目的としている.「記憶質感」とは我々が物体を思い浮かべた時にその物がもつ質感のことである.人が物体を見た時に実際に感じる質感と,記憶における質感をホワイトノイズを付加・除去したサンプル画像を用いて主観評価により調査し,どのような違いがあるかを検討した.その結果,記憶質感は対象物の質感に依存して変化し,その変化は対象物自身の持つ質感を打ち消すように記憶では粒状感を増加・減少する性質を持つことがわかった.また,記憶質感と画像の好ましさの関係についても調査を行ったところ,記憶質感と好ましさの間には相関が見られ,記憶の質感に近い画像ほど好ましいと感じられる事がわかった.これらのことは,「記憶質感」に基づき付加するノイズの粒状性を調整することにより,好ましい画像の再現が実現できることを示唆している..
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| 第27回 | 2010/11/4 (木) |
川本 一彦 (千葉大学 大学院 融合科学研究科 情報科学専攻) |
| 粒子フィルタに基づく動画像解析 | ||
| 粒子フィルタは,この10年で目覚しく発展している新しい時系列解析の方法として,さまざまな分野で用いられている.とくに,非線形・非ガウス型時系列モデルに対して威力を発揮する.対象が線形・ガウス型モデルならば,カルマンフィルタで十分相手が務まる.非線形モデルであっても,線形近似で我慢できるなら,拡張カルマンフィルタでなんとかなる.これでもだめなとき,粒子フィルタの出番である.解析的に扱えない手ごわい相手であっても,強力な計算資源を武器に,モンテカルロ法を駆使して,数値的に接近していくところにその力の源泉がある.本講演では,粒子フィルタの活発な応用分野の一つであるコンピュータビジョンにおける物体追跡の話題からはじめ,さらにそれに基づくいくつかの応用事例について筆者の研究を中心に紹介する.
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| 第26回 | 2010/10/14 (木) |
吉澤 陽介 (工学研究科人工システム科学専攻) |
| 色空間における慣用色名認識の定量化の試み 〜JIS Z 8102「物体色の色名」における慣用色名について〜 | ||
| 普段、何気なく無意識に用いられている慣用色名であるが、その慣用色名の用いられ方を振り返ってみると、誤認がなされていたりなど必ずしも正しいとは限らない。また、あまり用いられない慣用色名も存在し、死語になりつつある色名も存在する可能性がある。その事実は、先行研究においても言及されている。 もしも誤認されていたり、知られていない色名が多ければ、日本の歴史の一部を失うことにも繋がるかもしれない。特に、JIS Z 8102「物体色の色名」に採録されている慣用色名の在り方とともに真価が問われる。 本研究は、JIS Z 8102に採録されている慣用色名がどの程度認識されているかを把握する為に色名マッチングタスクを実施し、調査紙によるアンケート調査を基にして考察を行った。 一連の考察を踏まえて、如何にして慣用色を正確に用いて伝達を行っていくか、そして慣用色の由来となる対象が有する色域、素材、テクスチャなどの「不変的側面」、およびJIS の代表値や色票を基にして工業製品やメディアなどに用いるといった「使用的側面」の両立を如何にして図れば良いかを検討するきっかけとなり得る。 |
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| 第25回 | 2010/9/9 (木) |
一川 誠 (千葉大学 文学部 行動科学科) |
| 両眼視差量が画像の印象におよぼす効果 | ||
| 両眼視差手がかりの大きさと知覚される奥行量,感性的判断の関係について調べた一連の実験結果を紹介する.各実験では,交差視差,非交差視差それぞれ0〜70分程度の大きさの両眼視差を示すステレオグラムを20名程度の観察者に提示した.単純な構造の線画ステレオグラムの観察では,美感や快適感を含む評価性の印象は10〜20分の両眼視差で最も強くなった.活動感は両眼視差量や見かけの奥行量に対応して増大し,重さなどを含む力量性の印象は,交差視差で弱くなることが認められた.様々な印象を喚起する具象的画像のステレオグラム観察では,視差量が大きくなるほど評価性の印象,活動感,現実感が強められた.また,画像の具象性に関わらず,多層構造にすることで見かけの奥行が大きくなること,大きな視差量ほど評価性の印象,活動感,現実感を強めることが認められた.以上の実験結果に基づき,両眼視差を用いた映像の印象操作方法を提案する. |
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| 第24回 | 2010/8/5 (木) |
小山 慎一 (千葉大学 大学院 工学研究科 デザイン科学専攻) |
| 視覚の臨床神経心理学:患者から学ぶ視覚の仕組み | ||
| 筆者らの研究グループでは後頭葉損傷患者の視覚障害を研究する一方で、片頭痛やてんかん患者における視覚症状および光過敏性についても研究している。一方は視覚機能の低下から起こる症状であり、もう一方は視覚機能の異常な亢進によって発症すると考えられている。これらの臨床研究と脳機能イメージング研究を比較・検討することによって視覚機能の低下、亢進、および正常な視覚の状態を多角的に検討することが可能になる。本講演では筆者らが最近行ったいくつかの臨床研究を紹介する。 |
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| 第23回 | 2010/7/1 (木) |
平井 経太 (千葉大学 大学院 融合科学研究科 情報科学専攻・知能情報コース) |
| 空間速度コントラスト感度関数の測定・モデル化と動画像評価への応用 | ||
| 視覚系の空間周波特性は視覚系のMTF(Modulation Transfer Function)であるコントラスト感度関数(Contrast
Sensitivity Function,CSF)で表現することが多い.CSFは輝度または色度を正弦波状に変化させた縞を提示刺激とし,その正弦波パターン(正弦波グレーティング)
が知覚できるコントラスト閾値によって決定される.また,CSFは一般に空間軸で考えられることが多いが,時間周波数を変化させることによって大きく変化することも知られている. このようにCSFはこれまで空間軸または時間軸で考えられてきたが,近年,視線が動いている刺激を追従した状態でのCSFである空間速度コントラスト感度関数(Spatio-Velocity CSF,SV-CSF)が注目されている. そこで本講演では,SV-CSFに関する研究の背景,測定,モデル化について述べる.また,SV-CSFの工学的応用例としてSV-CSFを用いた動画像の画質評価手法を紹介する. |
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| 第22回 | 2010/5/19 (水) |
池田 光男 (立命館大学、チュラロンコーン大学(タイ)) |
| 空間認識、そして色の見え | ||
| 池田が提案した色の見えのメカニズム、照明認識視空間の概念による実験を紹介する。人がある空間に入るとまず空間の存在を認識し、ついでそこにある照明がどのようなものであるかを理解する。これが照明認識視空間である。人はその照明に適応し、白と認識する照明認識視空間の認識軸は照明の色に引きずられてその方へ回転する。照明の色によってそこにある物体の物理的な色は全て照明の色の方向へ移動する。しかし認識軸も同じように移動するから、認識軸と物理的な色との相対関係には変化が生じない。したがっているも物体本来の色が見える。これが色の恒常性である。先ず最初に、空間の認識があるというのがこの概念の基本的考え方である。空間の認識、そして色の見え、である。このことを証明する2つの実験を紹介する。 部屋を二つ作る。被験者室と壁の向こうのテスト室である。壁には大きさを変えられる四角の窓があり、ここを通して被験者はテスト室に置かれたテスト色票の色をエレメンタリーカラーネーミングで判定する。窓が小さいとテスト色票だけしか見えず、その色は被験者室に対して形成されている照明認識視空間の認識軸に照らして判定される。たとえば被験者室が赤色で照明されていると認識軸は赤色の方向へ移動している。テスト色票が無彩色だと赤色と反対方向の緑色に認識される。窓の大きさを大きくしていき、向こうに別の空間があることが分かれば、テスト室に対しても照明認識視空間が形成され、テスト色票の色はテスト室の照明認識視空間の認識軸に照らして判定される。テスト色票が無彩色ならその本来の無彩色として判定される。これが予測である。これが起きることを実験で示す。 つぎに、テスト室の装飾をほとんど赤とした場合とほとんど緑にした場合について上記と同じ実験を行う。もし色の見えが網膜上での色順応で決まってくるなら、赤の場合は赤への順応がおき、無彩色のテスト色票は緑に見えるはずであり、逆に緑に装飾した場合はテスト色票は赤に見えるはずである。これに対して照明認識視空間の概念では、空間の認識、そしてその空間の照明の認識に基づいて色が見えるとするので、テスト室の装飾の色に左右されることなく本来の色が見えるはずである。このことを実験で示す。 |
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| 第22回 | 2010/5/19 (水) |
Janprapa Poungsuwan (チュラロンコーン大学(タイ)) |
| 写真の中にも色の恒常性 (Color constancy demonstrated in a photograph) | ||
| 照明の色に関わりなく、物体の色は白は白というように物体本来の色を見るというのが色の恒常性である。しかし写真の中に写っている物体の色は照明の色をそのまま反映して、たとえば照明が電球色であるなら、写真の中の白い物体はややオレンジがかって見えてしまう。色の恒常性は成り立っていない。 池田は照明認識視空間という概念を導入している。その概念は物体の色の見えcolor appearanceはそれが置かれた空間の照明の認識を基に知覚されるというもので、その順序は、まず空間の認識があり、照明の認識があり、照明への適応がなされ、その空間で白と見る照明認識視空間の認識軸の方向が照明の色に近づいたところに回転し、その空間の中の物体の色は認識軸からの距離(角度)によって決まってくる。白い物体は電球によって照明されると物理的には少しオレンジ色になるが、認識軸もオレンジ色のところに移動しているから、やはり白い色として見る。 写真の場合はどうか。電球色で撮影した景色の中の白い物体は物理的には少しオレンジ色に写っている。これを白色で照明された空間に置いて見る。写真はその空間の中の一物体に過ぎないから、写真の中のオレンジ色がかった白い物体はそのまま少しオレンジ色に見えるだけである。色の恒常性は写真の中の景色には起きてこない。 しかし写真の中にでも色の恒常性の成り立つ可能性が照明認識視空間の概念からはある。色の恒常性は空間認識から始まるのであるから、写真の中の景色を空間認識するようにすればよい、ということになる。もし写真の景色が立体的に見えるならその中の物体には色の恒常性が成り立つと予測できるのである。 では写真を立体的に見るにはどうすればよいか。それには視覚系が空間を立体的に見るメカニズムを利用すればよい。我々が外の3次元の景色を見るときその網膜像は2次元に次元が落ちている。でも我々は3次元空間を認識する。つまり網膜の2次元像は大脳で3次元に次元アップされるのである。写真を見る。その網膜像も2次元である。だからそれが大脳で3次元に次元アップされる可能性はある。ただし、写真の景色以外の情報がそこにあってはいけない。部屋の中で写真を見ているときは写真の他に部屋の網膜像がある。部屋は3次元であるから次元アップの機能は部屋のために使われて、写真には使われない。写真は2次元のままに認識される。だから部屋の情報を大脳に入れないようにするとより。そこで次元アップビューワー(D-up viewer)なるものを作り、写真だけが見えるようにする。するとそこには3時限空間が見え、したがってその中の物体の色には色の恒常性が働き、白い物体は白い物体として見えるはずである。このことを実証する。 |
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| 第21回 | 2010/4/22 (木) |
中村 哲之 (千葉大学 文学部、日本学術振興会) |
| 錯視に関する比較認知研究 | ||
| 動物でも錯視は生じているのか?―こうした問いに対する研究は、古くは1920年代頃からおこなわれてきたが、さまざまな動物種で錯視の生起やその量を測定する行動的手法が十分に確立されていなかったこともあり、その多くは単一種に対して単一の錯視図形をテストする散発的な研究に限られていた。さらにそのほとんどが、「ヒトと同じ錯視が動物でも生じるか」を調べることに終始し、ヒトと異なる結果に対しては、実験条件の不備などとして扱われることもあった。しかし、錯視研究によって、ヒトを含めた動物の知覚システムの特徴を考察するためには、複数の動物種間で複数の錯視図形をテストし、種間の類似点だけでなく相違点も明らかにする必要がある。 我々は、ヒトとは系統的発生的に離れた種である2種の鳥類(ハト、ニワトリ)において、長さの錯視(順・逆ミュラー・リヤー錯視)、大きさの錯視(エビングハウス・ティチェナー錯視)、角度錯視(ツェルナー錯視)が、どのように生じているかを、種間で同一の実験手続きを用いることによって比較した。結果、いずれの錯視図形に対しても、同化現象は鳥類でも生じるが、対比現象は鳥類では生じない可能性が示唆された。視覚情報処理特性を比較した先行研究から、ヒトにおける全体志向的(global-oriented)、ハトにおける局所志向的な(local-oriented)処理傾向が示唆されており、こうした違いが、対比現象におけるヒトと鳥類との種差に関係しているのかもしれない。 |
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| 第20回 | 2010/3/17 (水) |
大塚 一路 (東京大学 先端科学技術研究センター) |
| 人の集団に関する新たな評価方法の考察 〜 ファイナンス理論を用いたサービスレベルの評価方法 〜 |
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| 本研究はファイナンス理論の枠組みを用いて「人混みに値段をつける」ことを目標としている。そこで我々は混雑における人の満足度が顧客一人あたりに与えられるパーソナルスペースと同等であると仮定してサービス価値の変化を正味現在価値(NPV)
法と呼ばれる資産価値評価理論によって評価した。また、新たな試みとして、サービスの価値 (顧客の効用) が待ち時間の増加に伴って割引かれるという概念を導入し、空港の入国管理場で測定したデータに対する実証分析も行った。解析を進めるに先立って、我々は行動経済学や信頼性工学の考え方を応用して人の効用に関する割引率をアンケートを通じて見積もっている。実証分析の結果から、今回導入した指標は待ち時間の増加やスペースの減少と連動して効用が小さくなる指標となっており我々の直感と合うことが確認できた。これまで実務で用いられてきた
レベル オブ サービス(LOS) という指標では時間に関する満足度の変化は考慮されていなかったのでそういった意味でも今回提案した指標は従来の概念が改善されたものとなっている。 ※千葉大学 COEスタートアッププログラム講演会 / 第20回千葉視覚研究会 (プログラム・要旨PDF) |
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| 第20回 | 2010/3/17 (水) |
下村 義弘 (千葉大学 大学院 工学研究科 デザイン科学専攻) |
| 『カラダの百科事典』に見るヒトの科学的考察 | ||
| 日本生理人類学会編の最新書籍『カラダの百科事典』では、全身的協関や生理的多型性などの独自の視点から、現代を生きているヒトについて様々な考察が描出されています。本講演では、その中でも特に視覚を始めとするヒトの感覚に絞って、いくつかのトピックを紹介し、人間全体という広い視野でどのように科学的考察を進めるべきかについて、示唆を共有したいと思います。 ※千葉大学 COEスタートアッププログラム講演会 / 第20回千葉視覚研究会 (プログラム・要旨PDF) |
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| 第19回 | 2010/2/10 (水) |
平山 順 (東京医科歯科大学 難治疾患研究所) |
| 概日リズムの光入力シグナルとDNA損傷応答の類似性 | ||
| 概日リズムはホルモン分泌等の生理現象の周期を、主に光といった刺激を利用して外環境に適応させ維持する機構である。このリズムは全身の個々の細胞に存在する転写/翻訳に依存したフィードバックループ(分子時計)により制御されている。この分子時計はCLOCK,
BMAL1, 及びCRYの3つの因子(時計蛋白質)により構成される約24時間の周期性をもつフィードバックループである。この分子時計はゼブラフィシュから哺乳動物まで脊椎動物で広く保存されている。 概日リズムの重要な特性の一つは、外部からの光刺激を利用して、自身のリズムの周期を外環境に同調させることである。我々は、概日リズムの光同調過程を細胞レベルで解析するために、光応答性のゼブラフィシュ胚由来の培養細胞を実験モデルとして樹立した。この系を用いて、分子時計の光同調がMAPKシグナル経路の活性化を介したCRYの光誘導によることを見出した。 次に、「光照射により個体がDNA損傷に対して耐性を獲得する」現象であるPhotoreactivationに注目した。特に、ゼブラフィシュにおいて、DNA損傷修復蛋白質である光回復酵素(64PHR)の光誘導及び誘導された64PHRによるDNA損傷修復がPhotoreactivationの重要な過程であることを見出した。 今回、概日リズムの光同調とPhotoreactivationが共通のシグナル経路を介して制御されることを明らかにしたので報告する。 |
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| 第18回 | 2009/12/9 (水) |
阿部 悟 (千葉大学 大学院 融合科学研究科・博士後期課程) |
| 視野闘争の検討を通じた異眼間情報統合処理の解明 | ||
| 左右眼からの視覚情報はどのように統合されるのか?私はこうした両眼間での情報統合メカニズムの解明を、視野闘争と呼ばれる現象の検討から試みている。視野闘争とは、左右眼に大きく異なる刺激像を提示した場合に生じる一種の知覚的葛藤状態であり、その際には、各眼に提示された刺激像が交互に入れ替わったり、各眼の刺激像が部分的に入り混じって知覚されたりする。視野闘争時の知覚は、一方の刺激像を意識から完全に取り除くという優勢/抑制の決定によって、両眼間での競合が解決されることを示している。今回の発表では、そうした解決の基礎にある処理過程について検討した研究を紹介する。 (1) 先行刺激による闘争刺激の見えの変調現象 視野闘争時の見えは不規則に変動するが、特定の刺激を先行提示することで、その見えを変調させることができる。私たちの研究では、こうした変調効果の生じ方は時間条件等に応じて変わり、提示眼に基づく場合(先行刺激と同側眼の刺激が抑制)と、刺激属性に基づく場合(先行刺激と同属性の刺激が抑制)とがあることを明らかとした。この結果は、優勢/抑制の決定には、提示眼に基づく処理過程と刺激属性に基づく処理過程の両方が関与することを示唆している。 (2) 視覚属性間の相互作用 色縞のような複数の視覚属性を組み合わせた刺激が競合する場合には、色縞という1つのイメージ同士が競合しているのか、もしくはそれぞれの属性ごとに競合しているのか?この問題を明らかにするため、刺激属性に基づく変調効果の特性を利用し、色縞刺激を用いた変調効果の検討を行った。その結果、個々の属性ごとに競合の解決がなされていることが示唆された。 (3) 色と方位の知覚的誤結合 色と方位の統合様式についてさらなる検討を行うため、等輝度の色縞刺激を用いて変調効果の検討を行った。その結果、一方の色縞が知覚される優勢/抑制の決定に加え、色と方位の組み合わせが左右眼に提示した色縞のいずれとも一致しない誤結合の知覚が頻繁に報告された。またこの際、優勢/抑制の決定と誤結合の発生に対して先行刺激の影響は異なっていた。以上の結果は、両眼競合の解決の際に働く優勢/抑制の決定過程と、優勢となった刺激の見えを決定する過程が異なることを示唆している。 こうした研究結果から、競合の解決における視覚属性間の相互作用や、優勢/抑制の決定過程と見えを決定する過程の違いなどについて考察する。 |
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| 第17回 | 2009/11/18 (水) |
富永 昌治 (千葉大学 大学院 融合科学研究科 情報科学専攻) |
| 絵画の質感を追求するディジタルアーカイビングについて | ||
| 美術絵画(油絵)のディジタルアーカイブへの一つのアプローチを述べる.ディジタルアーカイブは貴重な美術絵画を映像の形態で記録・保存・再生することであるが,ここでは,絵画を単にその姿を写真として保存するのではなくて,絵画表面に特有の質感を任意の視環境で再現する方法を展開する.この過程は画像取得,画像解析,画像レンダリングの3つの段階からなる.マルチバンドイメージングシステムで,絵画表面の画像を複数枚獲得し,絵画表面の性質を表わす各種パラメータを推定する.推定したすべての性質を用いて,任意の環境における美術絵画の三次元画像を生成する. |
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| 第16回 | 2009/10/28 (水) |
櫻井 建成 (千葉大学 大学院 理学研究科 基盤理学専攻物理学コース) |
| 非線形振動子とそれを用いた画像処理 | ||
| 私たちの目にふれる現象の多くは時間変化し、空間的“かたち”を作り出しています。心臓の鼓動など、リズムを刻むように周期的に変化する現象もあります。私たちは、非線形な“リズム“の発生とそれを基にした“かたち(パターン)“の形成に興味を持ち研究を行っています。本発表の前半では、非線形システムにおけるパターン形成・自己組織化の学術分野の紹介を行い、後半では、
我々の提案してきた、非線形モデル方程式を用いた画像処理手法を紹介します。我々の手法では、入力画像に含まれるノイズを除去するとともに確率共鳴を用いた低コントラスト画像からの輪郭抽出も可能です。これらの手法と視覚モデルとの接点などをご教授いただければ幸いです。 |
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| 第15回 | 2009/9/4 (金) |
桐谷 佳惠 (工学研究科デザイン科学専攻) |
| 電子辞書画面デザインと語の関連性の可視化 | ||
| デザインを学ぶ学生には、研究とデザイン提案の結びつきが理解できずに悩む者が少なからずいる。デザイン提案の核となる過程の一つに、コンセプト生成がある。今回は、このコンセプト生成に認知心理学的知見を応用し、デザイン提案を行った研究事例を紹介する。既存の電子辞書の問題点とされる一覧性と学習効果に対して、WordNetを利用し、関連語を可視化して提示する方法を提案した。既存の電子辞書と学習効果を比較したところ、提案物で英単語学習を行った場合は、1週間後の語彙テストの成績が有意に高かった。問題解決型の提案を行うデザイン研究者にとって、本研究は心理学的知見の応用の仕方を示す好例といえる。 |
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| 第14回 | 2009/7/9 (木) |
勝浦 哲夫 (工学研究科デザイン科学専攻) |
| 光環境とヒト ー味覚,時間感覚,生理機能に及ぼす光の影響 | ||
| 味覚閾値が照度、色温度によって変わるのだろうか?、光色によって時間感覚は変わるのだろうか?、昼間の単波長光はヒトの生理機能にどのような影響を与えるのだろうか?こうした光のヒトに対する影響について、最近、私たちの研究室で行った研究を紹介する。 |
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| 第13回 | 2009/6/18 (木) |
吉岡 陽介 (千葉大学 大学院 工学研究科 建築・都市科学専攻) |
| 歩行時の空間把握と中心視および周辺視 | ||
| 中心視と周辺視、この2つは互いに異なる役割を担いつつ、かつ互いに相補的に働きあうことで、日常生活における多様な情報獲得活動を支えている。 これまで我々は、制限視野法を応用した新しい実験手法を開発し、それによって、特に歩行時における空間把握と、中心視および周辺視の関係を解明しようと試みてきた。今回はそうした試みのこれまでの成果を報告したい。 人間が環境中を歩行するとき、ダイナミックな環境情報の流動が視野の中で生じ、その変化に応じた積極的な情報獲得が中心視と周辺視を通じて展開されている。こうした動的な空間把握に対する中心視・周辺視の役割を探ることで、歩行空間の計画や設計に直接援用できるような有益な知見を導き出すことができると考えている。 |
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| 第12回 | 2009/5/21 (木) |
吉川 拓伸 (千葉大学 大学院 融合科学研究科・博士後期課程/資生堂) |
| 肌色の白さ知覚について ―色相および彩度が肌色の白さ知覚に与える影響― |
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| 肌色の白さを定量的に評価するために、色彩計による肌色測定と、そこから得られる明度等が指標として使われている。しかし、数多くの肌色を測定した経験から、必ずしも測定された明度と白さ知覚が一致しないことがわかってきた。本研究では、この測定された明度と白さ知覚とのズレを定量的に調査し、より感覚にあった肌色の白さ指標や肌色表示空間の開発につなげることを目的としている。 まず、肌色の白さ知覚量は明度だけで決まるわけではなく色相と彩度が影響すると仮定し、顔画像の色相と彩度を独立に変化させた刺激を作成し、白さ評価を行った。実験は、色相または彩度のみを変化させた顔画像と同じ白さ感になるように基準顔画像の明度を調整し、マッチング後の基準顔画像の明度を知覚された白さとした。同様の実験を顔画像と同じ平均色情報を持つパッチ画像(正方形)でも行った。 その結果、顔画像では、色相が赤みになるほど、彩度が下がるほど同じ明度でも知覚される白さが上昇し、その程度は色相で最大L*=2、彩度で最大L*=4であった。一方パッチ画像では色相の効果は見られず、彩度の効果は確認できたが、顔画像より小さかった。 本講演では、詳細なデータと得られた結果の化粧品への応用についても述べる。またこのような現象が起こる原因として、いくつか考えられるが結論は出ておらず、参加者とのディスカッションができればと思っている。 |
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| 第11回 | 2009/4/16 (木) |
三分一 史和 (千葉大学 大学院 工学研究科 メディカルシステムコース) |
| 脳信号データの時空間解析 | ||
| 脳活動の時間的遷移を計測する方法として脳波(EEG)や機能的磁気共鳴画像法(fMRI)などがある。これらのデータは電極や計測voxelなどの空間座標情報に時系列が対応している時空間データであり、さらに周波数変換を施すと空間軸、時間軸、周波数軸上に再構築することができる。データ解析の代表的な方法は時間軸上では自己回帰モデル、時間-周波数軸上ではWavelet解析、空間-時間-周波数軸を同時に取り扱うことができるParallel
Factor Analysisなどがある。 本講演では、自励脳波、てんかん大脳皮質脳波、脳波とfMRIの同時計測データなどの例を基に、脳信号データ解析の概要を解説する。 |
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| 第10回 | 2009/3/5 (木) |
青木 直和 (融合科学研究科情報科学専攻) |
| ノイズ付加による画質向上効果 | ||
| 従来、画像のノイズ(粒状)は画質を低下させるため、できる限り除去しようとしてきた。銀塩写真からデジタル写真となって、ノイズ除去等の画像処理は比較的容易となったが、この画像処理や狭いダイナミックレンジ等のため、画質や質感表現の低下がみられるようになった。 これらの解決法として写真家は画像にノイズを加えることを行っている。こうしたノイズ付加により、みかけの階調やシャープネスが改善され、画質の向上効果がみられる。これらを知覚するかは人によって異なることがある。研究室で行ってきたノイズ付加に関する研究について、画質の改善や画像の好ましさ、および作画への応用などを述べる。 また、等輝度刺激の研究や絵画の色・レタッチを適用した写真作画等を紹介する。 |
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| 第9回 | 2009/2/12 (木) |
溝上 陽子 (千葉大学 大学院 融合科学研究科 情報科学専攻) |
| 環境の色分布に影響される色知覚 | ||
| 私たちは、照明や場所、季節による変化など、視環境が大きく変化するにも関わらず、安定した物の見えを保つことができる。これは視覚メカニズムが環境に適応する機能を持っているからである。物や色の見えと周囲の環境との相互関係は、空間認識や順応メカニズムと密接に関連していると考えられる。その観点からこれまで行ってきた、室内模型や実空間・自然画像を用いた研究を紹介する。また、視環境の彩度分布が色知覚に与える影響について、最近取り組んでいる以下の研究について紹介する。 視環境の色構成が物体の色知覚へ与える影響について、例えば色順応や色の恒常性など色相方向の変化への順応はよく知られている。一方、高彩度の色と低彩度の色に囲まれているときでは彩度が異なってみえるという色域効果や、彩度方向への順応についてはあまり注目されておらず、実環境でこの効果を調べた研究は見当たらない。そこで、高彩度、低彩度の色分布をもつ室内環境の違いが彩度知覚へ与える影響を検討した。実験には2つの室内模型を用い、一方は無彩色の壁と家具、他方は有彩色の家具で構成した。各室に置かれたテスト刺激の色評価を、室内の高彩度物体の量・配置の条件を変えて行った。その結果、テスト刺激の彩度の見えの差は非常に小さいものであったが、視野の中に高彩度色の占める割合が大きい場合の方が彩度の見えが低下する傾向がみられた。室内空間においても、環境の彩度分布により物体の彩度知覚が変化することが示唆された。ただし、室内の彩度分布が物の見えに与える影響は小さいと考えられる。 |
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| 第8回 | 2008/12/11 (木) |
木村 英司 (千葉大学 大学院 文学部 行動科学科) |
| 瞳孔反応を用いた視覚研究 | ||
| 今回の発表では、瞳孔反応の基本的な特性や瞳孔反応に寄与する視覚過程について簡単に紹介した後に、現在進行中の瞳孔反応を用いた両眼間相互作用の研究について紹介する。 (1) 瞳孔反応の諸特性と瞳孔反応に寄与する視覚経路 ヒトの瞳孔が光の輝度変化に対して応答することはよく知られているが、それだけではなく、色、空間パターン、運動など、様々な視覚属性の変化に対しても瞳孔は応答する。こうした瞳孔反応は異なる視覚経路の寄与を受けていることが明らかとなっており、さらに、瞳孔反応が視知覚反応と類似した特性を示すことも報告され、両反応を媒介する視覚過程が、少なくとも部分的には、類似あるいは共通していることが示唆されている。こうした知見から、不随意的生理反応である瞳孔反応は、視覚研究における他覚的・非侵襲的指標として活用できると考えられる。 (2) 瞳孔反応を他覚的指標とした両眼間相互作用の検討 2a) 異眼間抑制による瞳孔反応の変化 高コントラストの縞刺激を一方の眼に提示すると、他方の眼に対して抑制効果が生じ、刺激の検出閾が上昇する。こうした異眼間抑制事態における瞳孔反応を検討したところ、瞳孔反応においても抑制効果が認められ、瞳孔反応の振幅が減少することが確認できた。こうした抑制効果は、検出閾と瞳孔反応とで類似しており、輝度刺激と色刺激に対してほぼ同程度の強さで生じた。さらに瞳孔反応の結果から、抑制効果が皮質の視覚過程だけでなく皮質下にも及ぶとことが示唆された。 2b) 見えの変化にともなう瞳孔反応の変動 視野闘争を利用して同一の刺激系列により異なる見えの変化を生じさせ、瞳孔反応が刺激の物理的な変化と見えの変化のどちらに対応して変化するかを検討した。両眼の対応部の一方に白い円刺激、他方に黒い円刺激を提示すると視野闘争が生じ、単眼に提示した白刺激と黒刺激が時間的に入れ替わって知覚される。ここで、黒刺激が優勢になっている際に両眼に白刺激を提示すると、見えの変化は黒→白となる。これに対して白刺激が優勢になっている際に両眼に白刺激を提示すると、先の場合と刺激の物理的な変化は同一であるにもかかわらず、見えの変化は白→白となる。こうした2つの条件下で瞳孔反応を測定したところ、瞳孔反応の変化は、物理的な刺激変化よりも見えの変化に強く対応する形で変化した。 こうした研究結果から、視覚研究における客観的指標としての有用性や限界について考察する。 |
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| 第7回 | 2008/11/6 (木) |
大沼 一彦 (千葉大学 大学院 工学研究科 人工システム科学専攻) |
| 眼内レンズと色収差、球面収差 | ||
| 眼内レンズは、水晶体が混濁し、散乱光が増えて見にくくなった時に、水晶体を摘出して、挿入されるものです。近年は、角膜の持つ球面収差を打ち消して、網膜上の光学像を良くする目的で、負の球面収差を持つ非球面眼内レンズが流行となりました。また、眼内レンズ挿入時に角膜を切開しますが、この切開する幅を狭くするために、レンズを薄くしようと、屈折率の高いアクリルを使うようになりました。しかし、アクリルはアッベ数が低く、色収差が大きい材料です。そこで、ここでは球面収差と色収差が光学像のコントラストや、解像して見える範囲(写真でいう被写界深度)とど のような関係を持っているかについて模型眼を用いた実験を行いました。 模型眼では人間の角膜のもつ色収差と球面収差と同じレンズを用いて、水槽にいれた眼内レンズを通過後の像をCCDで受ける構造となっています。また、波長毎の像をえるため、干渉フィルターを用いています。 結論からいいますと、色収差は解像して見える範囲を少しだけ広げているようです。しかし、コントラストを下げているようです。 さて、実験をしていて、ひとつの疑問が出てきました。これらの像からどういう処理により色収差のない像を人間の視覚系は作っているのだろうか? このメカニズムについて関心があるかたにご指導いただけましたら幸いです。 |
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| 第6回 | 2008/10/9 (木) |
小山 慎一 (工学研究科デザイン科学専攻) |
| 幻肢とラバーハンドイリュージョンを通じて触知覚メカニズムを考える | ||
| 幻肢とラバーハンドイリュージョンは触れられていない、もしくは存在すらしない腕から触知覚を感じるという奇妙な現象として知られている。小山ら(2007,
2008)は、鏡を用いた幻肢痛緩和法を繰り返した患者において失われた腕のボディイメージが腕の付け根から手先に向かって回復したことを報告した。一方、ラバーハンドイリュージョンについては、視覚刺激の位置と触知覚を感じた身体部位との関係について詳細に検討し、1点のレーザーライトが手の異なる2点で同時に触知覚を生み出す場合があることを報告した(本間,小山,長田
2007)。研究会ではこれらの研究を紹介し、身体と感覚の結びつきについて考察したい。 |
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| 第5回 | 2008/9/3 (水) |
高橋 良香 (千葉大学 工学部 デザイン工学科 人間生活工学研究室・博士後期課程) |
| 生体リズムとその光受容システム | ||
| 光は網膜にある桿体、錐体で受容され、色や明るさなどが知覚されている。しかし、光には生体リズムの調節やビタミンDの合成に代表されるような生体機能に影響を与える働きがある。今回は、生体リズムとその光受容システムについての概論(1)と私のやっている研究(2)(3)について紹介する。 (1)生体リズムとその光受容システム (2)瞳孔収縮と新規光受容器の関わり (3)メラトニン分泌抑制の推定モデル 最初に、生体リズムとその光受容システムについて、これまで行われた研究の概論を紹介する。光と生体リズムの関係に注目した研究の黎明期には、光はヒトの生体リズムに影響を及ぼさないと言われていた。しかし、1980年にA.J.Lewyらが2500 lxの白熱灯を用いた夜間の光曝露によってヒトのメラトニン分泌が有意に抑制されることを報告してから、光がヒトの生体リズムに影響を与えることが広く知られるようになった。1980年以後、ヒトを対象とした光と生体リズムの関係に関する研究が行われるようになり、その波長特性や視機能の状態および眼球の有無の影響が調べられている。2002年にはラットの網膜で桿体でも錐体でもない新規光受容器が発見され、これまで説明がつかなかった様々な現象を説明することができる糸口ができた。この新規光受容器はヒトの網膜にも存在していることが確認されている。 新規光受容器の神経出力が視蓋前域オリーブ核と視交叉上核に投射していることから、この光受容器が瞳孔収縮と生体リズムに作用していることが報告されている。ノックアウトマウスを使った研究から、新規光受容器が高放射量のときの瞳孔収縮に作用している事が示唆されている。そこで、ヒトを対象に単波長光を用いて瞳孔収縮の分光感度を調べたところ、高放射量の時の瞳孔収縮が新規光受容器によって調節されていることを示す実験結果が得られた。 メラトニン分泌の異常は冬季の間だけ、うつ病と似た症状になる季節性感情障害や交代勤務で働くヒトに乳がんや前立腺がんのリスクが高いことと関係があると言われている。そのため、光の生理面への影響を考慮した照明設計をする際、メラトニン分泌への影響を考慮する必要がある。ここでは、夜間の光曝露によるメラトニン分泌抑制率を推定するため、メラトニン分泌抑制の分光感度を使った照度と瞳孔面積の積によってメラトニン分泌抑制率が求められるかを検討した。 |
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| 第4回 | 2008/7/30 (水) |
牛谷 智一 (千葉大学 大学院 文学部 行動科学科) |
| 視覚的体制化の比較認知科学 | ||
| 古くは生物学者 Uexkuell (1934) が指摘したように、動物は、各々その環境に適応した知覚世界を持っていると考えるのは不自然ではない。しかし、それから70年以上経った現在も、動物の視知覚の適応に関しては十分にまだわかっていない。視覚情報処理過程の生物多様性を理解することで、同じ30億年の自然淘汰の産物であるヒトの視覚についての理解も深まるかもしれない。視覚的体制化に関する発表者の種間比較研究を、これまでの成果
(1 - 2)に加え、現在進行中のプロジェクト (3 - 4) を交えつつ紹介する (千葉大学の実森正子氏、京都大学の友永雅己氏との共同研究を含む)。 (1) 運動の知覚的体制化 複数の光点が暗闇の中で近接して運動するとき、それらの運動は統合して知覚される。ターゲット光点の運動方向の弁別をハトに訓練したのち、同期して動く別の物体を呈示しテストした。ハトの反応は、運動を統合して知覚していることを示唆するものであった。 (2) アモーダル補完 物体の一部がほかの物体に隠されても、我々は見えている部分から推測して隠れている部分を知覚的に補完する。ハトもこのように隠れた図形を補完するか調べた。いくつかのテストの結果は、最近の複雑な運動刺激を用いた実験も含め、いずれもハトの補完に否定的な結果であった。アモーダル補完の進化について議論する。 (3) 類同と近接の法則による体制化 2種類の色の円を格子状に並べるとき、縦の間隔を横の間隔よりも短くすると、近接の要因から縦縞模様に見える。縦横の間隔が等しい場合でも、縦を1列交替で同じ色で揃えると、類同の要因から縦縞模様に見える(縦に近接しているように知覚される)。このような類同の要因による体制化をハトが知覚するか調べる現在進行中の研究では、肯定的な結果が示されつつある。 (4) 注意レベルでの視覚刺激の体制化 視覚的注意には、注意の中心からの距離の関数で決まるような空間ベースの注意のほかに、物体のような「まとまり」を単位に賦活するような注意過程(オブジェクトベースの注意)も知られている。チンパンジーとハトの視覚的注意にもそのような機能があるか調べた。また、このような注意過程を調べる枠組みを利用して調べた視覚的体制化の研究を報告する。 |
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| 第3回 | 2008/6/18 (水) |
外池 光雄 (千葉大学 大学院 工学研究科 メディカルシステムコース) |
| 視覚の脳内情報処理に関する非侵襲的計測 | ||
| 視覚系は、人間の感覚系の中では最も研究が進んでいる分野であるが、脳内における視覚情報処理が如何に行われているかについては解明されていないことも数多く存在している。その一つに、視覚情報で得られた物体の認知が実際に脳のどのような部位で、どのような経過を辿って処理されているかとなると、必ずしも明確にはなっていない、などがある。このように人間の現実の意識状態の脳内で行われている処理を計測・解析するには、近年急速な進歩を遂げている非侵襲的な計測を行う手法とその解析が不可欠である。 そこで、我々は、現在の最先端の計測技術を駆使して人間の脳内における感覚情報処理、特にマルチモーダルな複数感覚による感覚情報の統合的な情報処理機構の解明を目的としている。 本報告では、まず最初にそれぞれの非侵襲計測法の特徴を述べ、これらの手法の長所を組み合わせた研究の紹介と、方法論開発の試みを述べる。 次に、具体的に視覚系では現在実施している、色調の脳内情処理に関する脳磁図(MEG)計測や、fMRI計測実験の結果について紹介する。また、最近開始した人の顔画像刺激に関する脳内の知覚と認知に関する研究の現状について述べるとともに、記憶課題を用いたワーキングメモリの実験の現状などを報告する。 また、これまで行ってきた研究の中から、複数感覚同時刺激による注意の分割に関する研究や、味と匂いの感覚刺激に対して共通に応答する脳内部位の研究の実例などの紹介も行う。 最後に、筆者らが現在、研究目標としている前頭眼窩野の連合野部位における脳内の感覚統合に対する情報処理の仮説モデルについて述べる。 |
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| 第2回 | 2008/5/21 (水) |
宗方 淳 (千葉大学 工学部 建築学科) |
| 建築空間の見せ方、見方 | ||
| 建築空間はその設計段階から完成後の様々な段階において視覚的な印象の評価が行われる。例えば、設計者による意匠の検討、地域住民のための説明会、法規制のための研究など様々な場において、映像や実空間を対象として建築空間を見る・見せるという行為が発生する。 発表者は「映像の見せ方が建築空間評価に及ぼす影響」や「(実際の)建築空間の視覚的な印象がどのような要因によって決まるか」といった関心事のもと様々な研究に携わってきた。今回の研究会においては主として次の二点について発表する。 (1)映像の提示方法が建築空間印象に及ぼす影響 スクリーン上に映像を投影して提示する際、映像の撮影画角とスクリーンに対する観察位置からの画角は必ずしも一致しておらず、この差異は映像の空間印象に違いをもたらすことが考えられる。そこで、映像の提示画角設定と映像の大きさそのものを要因とした映像印象評価実験を行い、主として活動性に関する印象が映像の提示画角設定により異なる結果を得た。また、注視点分布の検討も別途行い、提示画角により分布に違いが生じる結果も得た。 (2)建築物から受ける圧迫感に関する検討 我国の建築関連法規においては建物の大きさに関する規制は幾つかあるものの、圧迫感という観点からの定量的な規制には未だ至っていない。圧迫感に関するこれまでの知見としては、映像シミュレーションによる実験 を中心として行われ、対象とする建築の立体角投射率が最も説明力が高いとされている。発表者は幾つかの実験を通して、無意識的な現場の記憶が意識的な評価実験との相関が高いことや、圧迫感評価において立体角投射率だけではなく対象建物の縦横比を織り込むことで説明力が上がることなどの結果を得ている。 |
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| 第1回 | 2008/4/23 (水) |
一川 誠 (千葉大学 文学部 行動科学科) |
| 能動的観察によるフラッシュラグ効果の低減 | ||
| 定速で運動する刺激と並んだ位置に一過性の刺激(フラッシュ)を提示した場合、2つの刺激の間に実際にはないズレが知覚される。これはフラッシュラグ効果と呼ばれる錯視である。本研究では、観察者の能動的な刺激操作が視覚に及ぼす影響をフラッシュラグ効果を題材として検討する。一連の実験では、いくつかの条件において観察者がコンピューターマウス等のデバイスを使って刺激運動を能動的にコントロールした条件で得られるフラッシュラグ効果と、刺激が自動的に運動した条件で得られるフラッシュラグ効果とを比較した。マウスを用いた条件では、マウスと刺激の運動方向とが一致している場合、観察者がマウスを用いて運動刺激をコントロールする条件、および、刺激が実際には自動的に刺激をコントロールしていても観察者が自分で刺激を動かしていると感じられる条件では、フラッシュラグ効果が減少することが見出された。他方、マウスと刺激の運動方向が一致していない条件では、このようなフラッシュラグ効果の現象は認められなかった。これらの結果は、観察者の能動的運動が視覚情報処理を促進させうること、ただし、そのためには能動的運動と刺激運動との方向的一致が重要であることを示唆している。実験結果から、能動的観察による視覚における運動処理への寄与について考察する。 |
関連講演会
| 2010/4/16 (金) |
M. Ronnier Luo (University of Leeds) |
| Holy Grail of Colour Appearance Research | |
| Prof. M. Ronnier Luo講演会 日時:2010年4月16日(金) 10:30-12:00 場所:千葉大学 自然科学系総合研究棟2号館2階 マルチメディア講義室 概要: M. Ronnier Luo, University of Leeds (UK) A general review of Robert Hunt’s contribution to color science since his initial work in 1950 will be given, focusing on the topic with which he was most involved: color appearance. Starting with his initial research on adaptation ― he investigated changes in color appearance due to different illuminants and luminances of adaption fields ― we will then discuss his work defining terms for visual correlates such as hue and brightness and proposed methods for formulating them. After looking at Hunt’s work establishing the framework of color appearance models, this talk will explain his contributions to the generation of large psychophysical data sets for the testing of various models, particularly CIECAM97s and CIECAM02. ----------- ※ この講演会は大学院GP・ナノイメージングセミナーの一環として開催されました。千葉視覚研究会共催。 |
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| 2009/7/29 (水) |
James A. Ferwerda (Munsell Color Science Laboratory, Chester F. Carlson Center for Imaging Science, Rochester Institute of Technology) |
| Envisioning the material world | |
| James A. Ferwerda先生講演会 講演者:James A. Ferwerda (Munsell Color Science Laboratory, Chester F. Carlson Center for Imaging Science, Rochester Institute of Technology) 日時:平成21年7月29日(水)13:00〜 場所:工学部5号棟 104講義室 タイトル:Envisioning the material world Efforts to understand human vision have largely focused on our abilities to perceive the geometric properties of objec such as shapes, sizes, and distances, and have neglected the perception of materials. However correctly perceiving materials is at least as important as perceiving objects, and human vision allows us to tell if objects are hard or soft, smooth or rough, clean or dirty, fresh or spoiled, and dead or alive. Understanding the perception of material properties is therefore of critical importance in many fields. In this talk I will first show how we have been using image synthesis techniques to develop psychophysical models of material perception that can relate the physical properties of materials to their visual appearances. I will then describe how we have been taking advantage of the limits of material perception to develop new techniques for efficiently rendering complex scenes. Finally I will discuss some recent efforts to develop advanced display systems that allow more realistic visualization of complex objects and materials, and allow hands-on interaction with virtual surfaces. ----------- ※ この講演会は大学院GP・ナノイメージングセミナーの一環として開催されました。 |
| 歴史 |
千葉視覚研究会は、10年ほど前まで行われていたそうです。その後活動が途絶えていたものを、2008年4月に復活させた形になります。したがって、現在の千葉視覚研究会は、正確には(「新」もしくは「復活版」)千葉視覚研究会となります。
| 問い合せ先 |
溝上陽子 (千葉大学大学院融合科学研究科)
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Last updated : 2012/4/2
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